豊洲にある客席が360°回転することで話題の、IHIステージアラウンド東京で上演されている、劇団☆新感線『髑髏城の七人』“Season極”「修羅天魔」に行ってまいりました!
回転することばかりがどうしても目立っていますが、シンプルに舞台作品としても素晴らしかったので、観劇感想レポートです。
目次
劇団☆新感線『髑髏城の七人』“Season極”「修羅天魔」2018年公演情報
『髑髏城の七人』“Season極”「修羅天魔」作品紹介(TBS公式HPより引用)
IHIステージアラウンド東京での約1年続いたロングラン公演、劇団☆新感線『髑髏城の七人』“Season花・鳥・風・月”。劇団史上初の試みとなるダブルチーム制での上演となる“Season月”の開幕を目前に控え、いよいよ最終を飾る“Season極”が始動。物語も一新、主演に天海祐希を迎え、新感線の看板俳優・古田新太が迎え撃つ、『髑髏城の七人』でありながら、捨之介も蘭兵衛も出てこない“もうひとつの『髑髏城の七人』”が出来上がった。
新たに紡ぐその物語の名は『修羅天魔(シュラテンマ)』。
完全新作となる本作は、天海演じる織田信長に愛された雑賀衆のスナイパーで今は遊女の<極楽太夫>、古田演じる<天魔王>の二人の愛憎劇。これまでの『髑髏城の七人』の中で最も“織田信長”像が引き立つ物語が描かれる。『髑髏城の七人』“Season極”「修羅天魔」あらすじ(TBS公式HPより引用)
関東荒野に現れた一人の美女、渡り遊女の極楽太夫(天海祐希)。だが彼女こそは、かつて織田信長に最も信用され愛された凄腕の狙撃手だった。
折しも関東では。髑髏の仮面で素顔を隠した天魔王(古田新太)が率いる関東髑髏党を名乗る軍団が難攻不落の髑髏城を築城、豊臣秀吉の天下統一を阻まんと関東に覇を唱えその勢力を広げていた。
その髑髏党に追われる熊木衆の少女・沙霧(清水くるみ)を行きがかりで助けた極楽は、関八州荒武者隊の頭目である兵庫(福士誠治)の口利きで無界の里に身を寄せる。宿場も兼ねているため旅人やボロボロの着物を着た貧相な百姓風の男・ぜん三(梶原善)など、街道を旅する様々な諸事情を抱えた人々が出入りする色里・無界では、一番人気の若衆太夫・夢三郎(竜星涼)がこの里を盛り立てていた。
そこで極楽を待つ狸穴二郎衛門(山本亨)と名乗る牢人。彼は、極楽に天魔王暗殺を依頼する。二郎衛門の正体は徳川家康。信長を通じて極楽とも親しい仲だったのだ。秀吉は天魔王討伐のために20万余の大軍を率いて進軍していた。関東で大戦が起きる前に天魔王を倒そうという策に乗る極楽。沙霧をとある山奥にこもる鉄砲鍛治、贋鉄斎とその弟子であるカンテツ(三宅弘城)の元に向かわせる。無敵の鎧を貫く鉄砲を作るよう頼んでいたのだった。
だが、彼女に狙われていることを知った天魔王は自ら極楽の前に現れその仮面を取る。その顔は、織田信長と瓜二つだった。
「貴様こそ信長公の仇」。極楽が銃口を向けたとき、天魔王は意外な真実を告げた。
修羅の道を行く女と天魔の世を作らんとする男。二人の奇しき縁の歯車が再び回り出す…。
ほわいとレビュー ★★★★★
(以下、ややネタバレ有り。と言っても感想が細かめで恐らく見た人しか伝わらないかなとも思います。)
劇団☆新感線『髑髏城の七人』“Season極”「修羅天魔」感想(ネタバレ含む)
一言とでいうと、
想像以上!!!でした。(これでは何も伝わらないですね)
母が抽選でチケットを取れた関係で、せっかくだし一緒に行きますわ、とかなり受動的な姿勢で観に行ってしまったことも原因かもしれません。
全体で3時間40分(休憩も20分のみ)というかなり長丁場な作品であるにも関わらず、本当にアッという間でした。
劇団☆新感線で度々上演されている「髑髏上の七人」も実は初めて観ました。
何度でも観たくなる中毒性をはらんだ作品です。真面目なシーンに急に笑いをはさんでいくのも、劇団☆新感線の魅力。
1年間の上演で既に45万人を動員したそうですが、リピートして観ているお客さんもかなり多いのでは?と思いました。
天海祐希さんのカリスマ性が異常です。(良い意味です)
同じ人間とは思えないくらいの存在感と美しさとカッコよさがありながら、庶民的なギャグやフリにも対応できて、非の打ちどころがありません。
古田新太さん、50過ぎの普通のおじさんなのに(失礼)、なぜあんなにカッコよいのでしょうか・・・?声が好きなのかもしれません。
個人的には、原慎一郎さんの歌のうまさの無駄遣い(良い意味です)が特に印象に残っていて、本当に面白かったです。
歌ネタで笑わせるって、世の中を平和にできる最強の武器なのでは、とすら思えてきます。
なによりこの劇場の特徴である、客席が回りながら目の前の舞台がどんどんどんどん動いていく。
最後、天海さん演じる極楽太夫の思い出を走馬燈のように思い出すシーンがあるのですが、客席をほぼ一回転(?)しながら、舞台セットも5景以上魅せながら回していく演出は、まさにアラウンドシアターならではの演出。ずるい!(良い意味です)
今更ですが、いのうえ歌舞伎では、歌舞伎の特徴であるツケ打ちの音は使わず、拍子木(柝)でその役と場面の切り替えとを担っていたのだなーと実感しました。
ステージも、舞台美術も衣裳も映像も、とにかくビジュアルのクオリティが半端なかったです。
スタッフロールを見ても、演劇とは思えないほどのスタッフの人数と肩書の種類の多さです。
ただ思うのは、演出において、「映像」を使いこなせるカンパニーやパフォーマーでないと、この劇場を活用するのは難しいよね・・とは思いました。
通常の劇場では、大きいパネルや布を使って舞台転換や場面の区切りを行うのに対し、
今回の回転する劇場では、回転して次々に異なる舞台セットを魅せられる一方で、大きいパネルや布を複数使うスペースはとれません。
今回の公演では、白い楕円で回転に合わせて動く大きな壁が2つあり、これらに映像を投影しながら壁が閉じたり開いたりしていきます。
映像の役割が本当に大きくなっているなーと実感しました。
特にここ2~3年で演劇と映像演出の親和性がものすごく高まっていると感じていて、時代だなーと思いつつ、これからどうなるんだろうーとも思いつつ。
次回公演では、「メタルマクベス」を同じ劇場で上演するとのこと。ぜひ観に行きたい!というか行きます!
最後に、劇場である「IHIステージアラウンド東京」について。
事前になんとなくはリサーチしていたのですが、劇場周りにはカフェなどは何にもありません。
劇場内のコーヒーも、さすが劇場プライスの500円とかなり高値。
休憩中のお手洗いはものすごく混雑するので、お手洗いは事前に行っておくのがベストであるのは間違いなしです。
劇団☆新感線『髑髏城の七人』“Season極”「修羅天魔」関連DVD・書籍
こちらは、2011年に小栗旬さん・早乙女太一さん・森山未来さん他で上演された、通称「ワカドクロ」と呼ばれるチームでの、『髑髏城の七人』DVD版です。
こちらが、本公演の脚本です。
劇場情報
■劇場名
IHIステージアラウンド東京
■住所
東京都江東区豊洲6-4-25
新交通ゆりかもめ 市場前駅 北口より徒歩1分
都営バス05 新豊洲駅停留所 より徒歩6分
東京メトロ有楽町線 豊洲駅 7番出口より徒歩15分
■電話番号
TEL:03-5144-0360(開演3時間前〜終演時)
■公式サイト
IHIステージアラウンド東京
■公式ツイッター
@STAGE_AROUND
■公式フェイスブック
@stagearoundtokyo