先日、知り合いに教えていただいたことがありました。
「せっけんを作るにあたって、苛性ソーダでアルカリ性にするのが一般的だけど、弱酸性でいられるのものもあるんだよ!例えばグレープフルーツ種子とか!」
・・・そんなことあるの??
すごく気になってしまったので、自分なりに調べてみました。
目次
せっけんとは、そもそも何ぞや?
せっけんの定義は、
「脂肪酸とアルカリが結合したもの」と言えます。
また、原材料には必ず、脂肪酸ナトリウムか脂肪酸カリウムが使われています。
簡単な式にすると、こうなります。
固形せっけん=「脂肪酸ナトリウム」
=油脂(各種脂肪酸)+アルカリ(苛性ソーダ)
液体せっけん=「脂肪酸カリウム」
=油脂(各種脂肪酸)+アルカリ(苛性カリ)
ちなみに、脂肪酸とアルカリを合わせる化学反応を、「鹸化(けんか)反応」と言います。
せっけんの特徴は、
・泡に洗浄力がある。(使う際は必ず泡立たせること)
・水で薄まると、汚れと離れる。
・水で流しやすく、すすぎ落としやすい。
・石鹸は、弱アルカリ性、またはアルカリ性である。
・アルカリ性の特性により、皮脂などのタンパク質を落とすことが出来る。
・酸性で中和すると、洗浄力が落ちる。
手肌には弱酸性が良いという話
まず、簡単に前提から。
人間の肌は、基本的に弱酸性に保たれています。
世に出回っている洗浄成分のほとんどはアルカリ性なので、手肌に当たると、一時的に中性、またはアルカリ性に傾きます。
これを、汗や皮脂などでゆっくりと弱酸性に戻していますが、日常的にアルカリ性の状態でいたり戻らない状態でいると、手荒れ、ニキビ、アトピーなど、あらゆる肌トラブルが引きおこる原因になります。
このため、弱酸性が肌に良い、とされているのですが・・・
弱酸性と謳うものの中には、本来はアルカリ性なのにPH調整剤を加えることで数値上、弱酸性にしているものだったりするものも数多くあります。
もちろん、弱酸性に近いものであるほど、肌への負担は少なくなるのですが、
洗浄力の強さや、他に配合される洗浄成分が肌に残らないことなども大事なポイントであり、一概に、アルカリ性か弱酸性かだけで判断することはできません。
グレープフルーツ種子によって鹸化し、弱酸性になる?
まずは結論。ちがうっぽいです(笑)
グレープフルーツ種子は、抗菌の作用があり、天然の防腐剤、とも言われています。
中身は、脂肪酸とフラボノイド(ポリフェノールの一種)なので、極論、
グレープフルーツ種子+苛性ソーダ=石鹸
が作れるようです。
成分自体が悪いものではないですが、結局はせっけんはアルカリ性になるので、弱酸性にはならないみたいですね。
今度、知り合いと改めて話し合ってきます(笑)
まとめ。そして手荒れ人ほわいとの意見。
弱酸性のせっけんは、定義上ありえない!
ただ、せっけんは成分がシンプルな分、洗浄することだけが目的です。
美容・薬用成分なども活用したいとなると、弱酸性洗浄料の選択肢は、大いにアリだと思います。
または、弱アルカリ性であるせっけんで洗ってから、弱酸性の手肌用コンディショナーで戻すもありかなと。
ただし、石油系の成分は肌にかなり負担がかかるので、これだけ注意しましょう!
そんな私は今のところ、食器用と洗濯用洗剤に固形せっけんを使い、お風呂場では弱酸性の洗浄料を使っています。
みなさんの手荒れが、一日も早く良くなりますように。